光の国へ
ウルトラマンはどこから来たのか?
もちろん光の国である。
しかし、光の国とはなんなのか?
先に放送された『2人のウルトラマン』において、金城哲夫はニライカナイである...としていた。
ニライカナイ、つまりは理想郷である。
だが理想郷とは、裏を返せばあの世であると、私は考えている。
竹取物語においてかぐや姫が向かう先はものを思うこともない極楽であるという。だが、何も感じないとは死の世界と大差ない。
しかし、救われるには、楽になるには無による解放しかないのだろう。
生きているというのことは、辛いこと、苦しい事に苛まれ続け、それに闘い続けなければならない。それに疲れた人間が、最後に求める理想郷とは静かな無なのだ。
毎日、毎日、辛い時、僕の右手にはベーターカプセルが見える。それを天に向け高く突き上げ、スイッチを押す。僕は光に包まれてどこかへ、光の国へと消えていく。あぁ、そこはきっと楽園だ。
そう思い、目を開けた時にあるのは、結局変わらない毎日。どうやら、ウルトラマンはまだ、僕に生きていて欲しいようだ。まだ、頑張れるのかもしれない。それでも、それでも、僕がダメになってしまったらウルトラマンは助けに、迎えに来てくれるのだろう。そう思い、一息入れてまた日常を続ける。