おかわり日記

思ったことを垂れ流すトイレ

青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない 感想

注意

今回の記事はネタバレを含む恐れがあります。

ご了承いただけた方はそのままお読みください。

 

 

 

どうも僕です。この度「青春ブタ野郎は夢見る少女の夢を見ない」を見てきました。

まずは溢れ出る感情の方から。

ただ、ただ泣いた。

梓川も、麻衣さんも双葉もみんなみんないい奴すぎて涙が止まんない。

牧之原さんに何にも出来ないなんて、そんなの、そんなの辛い。

でも麻衣さんだって救いたい。

夢を見たってそれは夢じゃないんだよ!君は、君は...頑張ったんだから。

ラストシーン、牧之原さんの事忘れてるのを見て涙止まんなかった。でも、でも、でも最後にちゃんと彼女は、牧之原さんはいた!元気な姿で!よかった、よかった、本当に良かった。ありがとう。

 

さて、感情的なものはこのくらいにしておきましょう。

前半は梓川と麻衣さんの幸せそうな姿を見てニヤニヤしながらも、翔子さんの登場によってこの後どうなるのだろうかとドキドキされられます。梓川が取られたらどうしようとか。

後々の展開考えると本当に翔子さんに失礼だと思いますね。

牧之原さんと翔子さんは一応同一である事がわかります。

そして牧之原さんの思春期症候群がどのようなものかを考えていくうちに牧之原さんが心臓の病気である事、彼女が中学卒業まで生きられるかわからない状態である事がわかります。

 

この時点で単純な僕は牧之原さんに対して同情心が出てしまい、翔子さんのこともおんなじように見てしまいます。

病気の子が夢見た理想を叶えてやりたい。苦しんでるのに、頑張ってるのにただ普通に将来を楽しめないなんて辛い。

 

さて、最終的に翔子さんは牧之原さんの理想ではなく、未来の牧之原さんだった事がわかります。

梓川が事故で死んでしまい、そのおかげで彼女は心臓の移植をして助かるのです。

梓川が犠牲にならないと、牧之原さんは助からないのです。

 

自分の命を犠牲に誰かを助ける。この手の話は大好きです。素晴らしい事ではあるけれど相当な覚悟がいる。それに、友人や大事な人が悲しんでしまう。

実際、双葉は止めます。「嫌だ」その一言がシンプルですが重いです。双葉がストレートに言葉にしているのも嬉しいですけれど、何より大切な友達の心からの想いっていうのが...

もちろん麻衣さんだって止めますよ、そりゃ。必死になって梓川を事故現場から引き離します。

大好きな梓川が死んで欲しくないから。

 

ここでの会話は本当に良かった。

嫌われてもいいから梓川を助けようとするなんて。泣いて止めた姿を見てたら、大切な人を残して自分を犠牲にするのはマジ糞だなって思いました。大切な人が泣いている姿ほど見てて辛いものはないと思います。

 

梓川は自分を犠牲にしない選択をしようとしますが、彼はICUで闘病している牧之原さんを見てしまいます。

あんなんズルですわ。あんな姿見せられて、心が揺れない訳がない。

実際梓川も決心を変えてしまいます。

彼のこの優しくて、優しすぎる姿は本当に好きだけど、見てて辛かったです。

この後の麻衣さんとの電話のシーン、後々考えると麻衣さんは覚悟を決めてたのでしょう、いろんな意味で。

 

 

 

 

麻衣さんが梓川を庇って事故にあってしまうのです。

は?開いた口が塞がらんのだが。

正直こんな感じでした。

しかも麻衣さんは死んでしまいます。そんな...

特に車にぶつかった時の音がリアルで一気に雰囲気が変わりました。

告別式とか、ニュースの映像が挟まれますがそのリアリティというか、緊張感というか、何も出来なかった事とかが、本当に死んでしまったというのを実感させます。同時に絶望感も大きかったです。

それで翔子さんも消えてしまい、牧之原さんも救えず、麻衣さんも失うという結果に...

もう気持ち的に無理でした。誰でもいいから麻衣さん、牧之原さんを救ってくれ。こんな事絶対良くない。こんなバッドエンド見たくないんです。

もう何かに縋りたい気持ちでいっぱいでした。

梓川も完全に心をやられて精神的にやばい状態でそれを見てるこちら側もいたましい気持ちでした。当然といえば当然ですが双葉や国見から連絡に全く気づかないほどです。

 

しかし、こんな梓川の前に翔子さんが現れます。世界線が変わり、麻衣さんの心臓を移植された事で助かった翔子さんが。

彼女の力を借りて、梓川は麻衣さんを救いに過去へ戻ります。

そして梓川は、翔子さんに、いや牧之原さんに対して何も出来ないと告げるのです。

何も出来ない。麻衣さんを助けるには牧之原さんを、見捨てなきゃいけない。あんなに頑張ってる子を。みんながみんな幸せになる都合の良い展開はない。そう突きつけられた気がしました。

あぁ...あぁ...そんな。でも、麻衣さんにも死んで欲しくない。でも、でも。

僕の頭の中ではこれが堂々巡りしていました。

 

過去に戻った梓川は過去の自分に連絡を取りますが、そこで牧之原さんを見捨てる事でお互いが議論します。

ここを見るに、人は失って初めてことの重大さがわかるんだろうなと感じました。というか、実際に失った後と前では失ったものへの比重が違うというか。まぁ、そんなもんでしょう。

 

梓川と生きている麻衣さんとの再会のシーンは泣きました。

生きてる、良かった、生きてる。

生きていてくれるだけで、本当に安心しました。

一度死んで蘇るんじゃなくて、生きていた時の姿をだからこそ、この感動があるんだと思います。ドラえもんのおばあちゃんの思い出でのび太が過去のおばあちゃんに再会した時みたいな感覚です。

ここでの会話も大好きです。

「2人で幸せになる」

2人でって所が良い。お互いがお互いを大事にしてる感があってすごく好きです。

 

そしてここからのラストまでの展開は本当に涙なしでは見られませんでした。

特に、ICUで牧之原さんが、見た夢について語っている所です。

こんなに良い子を、救えないなんて、なんて、なんて残酷なんでしょう。

 

 

 

最後にまとめですが、普通に満足できる作品でした。片方を捨てる覚悟をすぐに決めて物語が進むんじゃなくて、ずっと悩み続けるのが個人的に好印象でした。自分もおんなじように悩むことができたので。また途中の絶望感が、その後の展開に説得力を与えてくれている気がします。そして何より、登場人物が全員良いやつだったのも良かったです。感情移入が非常にしやすかったです。(特に双葉が良かったばい)

もう一回、いや何度でも見たい作品です。その度に泣くかもしれないですけどね。